Top > 高度人材育成事業 > (終了)【2021年度】第一原理電子状態計算の基礎と応用
高度人材育成事業

第一原理電子状態計算の基礎と応用

シラバスのダウンロードはこちらから (参考:2020年度のシラバスはこちらをご参照ください)

講義概要

密度汎関数理論に基づく第一原理電子状態計算の基礎と応用に関して講義を行う。 固体における物質の凝集機構と電子状態から議論を始め、現実物質の物理・化学的性質の包括的な理解の枠組みを与える密度汎関数理論と線形応答理論の基本概念及びその定式化を解説する。
また、密度汎関数理論の応用として、構造の安定性、反応座標解析、 電子伝導特性、光との相互作用、内殻励起現象等に関して応用事例と共に議論する。
第一原理計算プログラム OpenMX のチュートリアルも実施する予定である。

講義スケジュール

※2021年度は、オンラインにて開講いたします。

2021年9月開講(90分×8回)
9月 3日(金)(14:00-17:15) 第1回、第2回
9月 10日(金)(14:00-17:15) 第3回、第4回
9月 17日(金)(14:00-17:15) 第5回、第6回
9月 24日(金)(14:00-17:15) 第7回、第8回

講義内容

講義内容(若干の内容変更の可能性あり)
第1回 物質の構造と凝集機構 簡単な分子の計算事例、ビリアル定理と凝集機構の関係、Friedelモデルによる遷移金属の構造傾向の理解、モーメント定理と局所構造の関係
第2回 結晶構造とバンド構造 DOSとグリーン関数・リカージョン法、Born-von Karman条件による周期性の導入、Blochの定理・空格子近似と「ほとんど自由な電子」近似、直交化平面波の方法、結晶運動量
第3回 密度汎関数理論 I Hartree-Fock法、第二量子化の方法・ジェリウムモデル・ジェリウムモデルにおける交換相関エネルギー・Thomas-Fermiモデル、Lindhard応答関数
第4回 密度汎関数理論 II Hohenberg-Kohnの定理、電子密度のv-およびN-表示可能性、Levyによる制約条件付き最小化の方法、Kohn-Shamの方法、Kohn-Sham法における全エネルギーの変分特性、交換相関エネルギー: LDA及びGGA、DFT-KS法における変分特性
第5回 密度汎関数理論の実装 Kohn-Sham方程式の数値解法、OpenMXの実装、LCPAO法、基底関数と全エネルギーの計算、DFT計算の再現性に向けた試み、擬ポテンシャル法
第6回 密度汎関数理論の応用I 構造最適化と構造安定性の解析、第一原理分子動力学法: 温度制御及び圧力制御、NEB法の原理と反応経路解析、オーダーN・大規模第一原理電子状態計算の手法と応用 
第7回 密度汎関数理論の応用II 拡散/バリスティック伝導、非平衡グリーン関数法、量子化コンダクタンス、一次元鎖のモデル、三次元系への拡張とDFT-NEGF法、グラフェンナノリボンの伝導特性
第8回 密度汎関数理論の応用III 密度汎関数理論の応用III: 固体表面の仕事関数、光電子分光法の物理過程、固体中の内殻電子の絶対束縛エネルギーの第一原理計算、角度分解光電子法の物理過程、バンドアンフォールディング法によるバンド構造の解析、X線内殻励起吸収スペクトルの第一原理計算

定員

60名程度

受講対象および費用

■受講対象:
1)本プログラム「高度人材育成事業」にご入会の企業(=連携機関)の方(有料)
※「高度人材育成事業」のお申込みに関する詳細については、こちらをご参照ください。
2)学部学生、修士・博士課程学生、大学・国立研究機関等に所属する研究者等(無料)
■費用:
1)企業(営利団体)にご所属の方:受講者1名あたり100,000円(消費税別途)
※「高度人材育成事業」の参加費として申し受けます。
2)大学、国立研究機関等(非営利団体)にご所属の方:無料

受講にあたり必要な知識

学部4年生程度の量子力学及び固体物理学の知識

受講に際しての諸注意

・企業にご所属の方は、まずは「高度人材育成事業」へ入会お申込みの上、受講をお申し込みください。
・原則、全回参加が望ましいが、部分的な受講も可。
・講義資料は参加申込者のみに配布。チャットツールSlackにて質問を受け付けます。

受講申込期限

2021年8月25日(水)正午
事前申込制。受講生が定員を大幅に上回る場合は、1)連携機関としてお申込みの企業の方、2)博士課程学生、3)修士課程学生および学部生、4)大学・国立研究機関等に所属する研究者等の優先順位とする。

お申込方法

大学、国研等にご所属の方は、オレンジのボタンより、連携機関としてお申込み済みの企業の方は黄緑のボタンよりそれぞれお申込みください。

※お申し込みを締切りました。

主催

主催:東京大学物性研究所 計算物質科学高度人材育成・産学マッチングプログラム(MP-CoMS)
後援:高度情報科学技術研究機構