第一原理電子状態計算の基礎と応用 2021年9月開講
(MP-CoMS 2021)
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- 講師
- 実習に関して
- 講義内容 (講義の進行により内容変更の可能性があります)
- 9月3日 (金) 第1回 13:00-14:20、第2回 14:35-15:55、実習 (希望者のみ) 16:10-17:10
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講義1: 物質の構造と凝集機構
ビリアル定理
Friedelモデル - 物質科学における計算科学
- 密度汎関数理論
- ビリアル定理の導出
- 水素分子の結合
- 簡単な分子の計算事例
- 遷移金属の凝集機構: Friedel モデル
- 軌道分解されたビリアル定理
- 遷移金属表面における凝集
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講義2: 結晶構造とバンド構造
DOSとグリーン関数+Recursion法
Miedema則の微視的理論
Blochの定理+「ほとんど自由な電子」近似+ Phillips-Kleinman (PK) 法 - DOSの形状の支配因子
- DOSとグリーン関数の関係
- Recursion法
- モーメントとグリーン関数の関係
- Miedema則の微視的理論
- Born-von Karmanの周期境界条件
- Blochの定理
- Brillouinゾーン
- 空格子近似と「ほとんど自由な電子」近似
- Phillips-Kleinman (PK) 法
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実習1: WSL上でのOpenMXのインストール(PDF)|
(PPT)
実習1: OpenMX その1 (PDF) - 9月10日 (金) 第3回 13:00-14:20、第4回 14:35-15:55、 実習 (希望者のみ) 16:10-17:10
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講義3: 密度汎関数理論 I
Hatree-Fock法+第二量子化
ジェリウムモデル
Thomas-Fermiモデル+Lindhard応答関数+sp価電子物質のモデル - Hartree-Fock法
- 交換積分と交換ホール
- 第二量子化
- ジェリウムモデル
- Thomas-Fermiモデル
- 応答関数と誘電関数
- Lindhard応答関数
- sp価電子物質のモデル
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講義4: 密度汎関数理論 II
SlaterのXα法+Hohenberg-Kohnの定理+Harrimanの構成法+Levyの証明+KS法+Janakの定理
逆Kohn-Sham法
DFT-KS法の変分特性 - Thomas-Fermi-Diracモデル
- SlaterのXα法
- Hohenberg-Kohnの定理
- 電子密度のv-およびN-表示可能性
- Levyによる制約条件付き最小化の方法
- Kohn-Shamの方法
- Janakの定理
- 交換相関エネルギー: LDA及びGGA
- 一般的な計算精度
- GGAを越えて
- DFT-KS法の表現能
- DFT-KS法における変分特性
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実習2: OpenMX その2 (PDF) - 9月17日 (金) 第5回 13:00-14:20、第6回 14:35-15:55、実習 (希望者のみ) 16:10-17:10
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講義5: 密度汎関数理論の実装
OpenMXの実装
原子のDFT計算と擬ポテンシャル法
SCF収束の方法1|
SCF収束の方法2 - Kohn-Sham方程式の数値解法
- OpenMXの実装
- LCPAO法
- 基底関数と全エネルギーの計算
- DFT計算の再現性に向けた試み
- 擬ポテンシャル法
- 付録: 原子のDFT計算
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講義6: 密度汎関数理論の応用I
構造最適化の方法
ストレスの計算方法 - 力とストレスの計算
- 構造最適化
- ヘシアン行列と準ニュートン法
- 格子定数・内部座標の構造最適化
- 反応経路の計算: NEB法
- 定温分子動力学法
- Car-Parrinello法
- メタダイナミクス
- QM/MM法
- 応用事例
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実習3: OpenMX その3 (PDF) - 9月24日 (金) 第7回 13:00-14:20、第8回 14:35-15:55、 実習 (希望者のみ) 16:10-17:10
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講義7: : 密度汎関数理論の応用II
散乱問題と非平衡グリーン関数法
多体摂動論と非平衡グリーン関数法
DFT-NEGF法の実装 (arXiv)
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DFT-NEGF法の実装 (PRB) - 拡散/バリスティック伝導
- バリスティック伝導の実験例
- 非平衡グリーン関数法の特徴
- 散乱問題からの定式化
- 量子化コンダクタンス
- 一次元鎖のモデル
- 三次元系への拡張とDFT-NEGF法
- トンネル磁気抵抗素子: Fe|MgO|Fe
- グラフェンナノリボンの伝導特性
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講義8: : 密度汎関数理論の応用III
XPSの第一原理計算 (「固体物理」原稿)
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XPSの第一原理計算 (PRL)
Unfolding法 (arXiv)
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Unfolding法 (JPCM)
久保-Greenwoodの公式 by Dr. Yung-Ting Lee - X線光電子分光スペクトルの計算
- X線吸収端近傍構造スペクトルの計算
- 角度分解光電子スペクトルとUnfolding法
- 複素誘電関数と久保-Greenwoodの公式
- 紫外可視近赤外スペクトルの計算
- 実験と理論の共同研究事例
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実習4: OpenMX その4 (PDF)
講義概要
- 密度汎関数理論に基づく第一原理電子状態計算の基礎と応用に関して講義を行う。
固体における物質の凝集機構と電子状態から議論を始め、現実物質の物理・化学的性質の包括的な理解の枠組みを与える密度汎関数理論と線形応答理論の基本概念及びその定式化を解説する。また密度汎関数理論の応用として、構造の安定性、反応座標解析、磁気特性、光との相互作用、内殻励起現象等に関して応用事例と共に議論する。第一原理計算プログラムOpenMXのチュートリアルも実施する。
講義スケジュール
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9月 3日(金) 第1回 13:00-14:20: 第2回 14:35-15:55: 実習(希望者のみ) 16:10-17:10.
9月10日(金) 第3回 13:00-14:20: 第4回 14:35-15:55: 実習(希望者のみ) 16:10-17:10.
9月17日(金) 第5回 13:00-14:20: 第6回 14:35-15:55: 実習(希望者のみ) 16:10-17:10.
9月24日(金) 第7回 13:00-14:20: 第8回 14:35-15:55: 実習(希望者のみ) 16:10-17:10.
尾崎泰助 (東京大学物性研究所): 講義及びSlackの質問への回答を担当
河村光晶 (東京大学物性研究所): Slackの質問への回答を担当
福田将大 (東京大学物性研究所): Slackの質問への回答を担当
毎週、講義後にOpenMXのチュートリアルコースを実施します。希望者は奮ってご参加下さい。
参加者各自のPCにOpenMXをインストールし、OpenMXを用いた基本的なDFT計算や授業で議論した内容の計算を行います。
参加者のPCとしてはWindows 10のPCを想定しており、WSL (WSL2)上でIntel one APIを用いてOpenMXをインストールします。
mac PC上でもインストール可能だと思われますが、講師がmac PCを使用していないため、
チュートリアルではふれません。
備考: